2007年11月25日日曜日

支部で聞いたちょっと良い話 ②「自己満足」と「自己実現」

50代後半のB支部のBさんは、会社勤めを卒業し、現在はボランティアでお年寄りの介護活動に取り組んでいます。
幼い頃おばあさんにお世話になりその恩返しの意味もありますが、お年寄りのお世話そのものにとても遣り甲斐を感じ充実した日々を過ごしています。
そんな或る日、既に社会人になっている息子さんから、“お父さん、ボランティア活動といっても所詮は「自己満足」ではないの?”と言われ、Bさんは暫し考え込んだそうです。
しかし、“確かに「自己満足」かも知れない。でも、お年寄りのお世話にとても生き甲斐を感じるんです。一所懸命にお世話し、お年寄りが感謝の表情を見せた時は、私自身も感謝したくなるくらい嬉しいんです。これからもこの活動を続けます。”と語るBさんの瞳はとても輝いていました。
スイスの精神医学者のユングは、40才位から始まる中年期を「人生の午後」とよびました。この「人生の午後」の課題は、人生の前半で排除してきた自己を見つめ直し、より新たな自己としてそれを取り入れることであり、ここに始まる真の「自己実現」をユングは「個性化」とよびました。
支部の総会・懇親会の後、“今日もこれからボランティア活動に行くんです。”と言って別れたBさんの後ろ姿を見送りながら、Bさんも真の「自己実現」に向かって歩み始めているんだなぁと感じました。